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ストックマネジメント

ストックマネジメント

ストックマネジメントについて

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農業水利施設を適切に予防保全及び更新していくために、施設の機能診断に基づく機能保全対策の実施を通じて、既存施設の有効活用や長寿命化を図り、ライフサイクルコストを低減するための技術体系及び管理手法としてストックマネジメント手法が導入されるようになりました。
ストックマネジメントとは、機能診断、劣化予測を経て、適切な対策工法のシナリオを策定し、ライフサイクルコストの低減効果が高い保全対策方法の計画を策定する一連の技術体系です。

ストックマネジメントの基本思想

当社は、「農業水利施設ストックマネジメントマニュアル」(保全対策センター)策定に長年携わってきた経験と技術を活かし、施設の機能診断、劣化予測、適切な対策工法の選定、ライフサイクルコストの算定、機能保全計画の策定、といった一連のストックマネジメントに加え、リスクマネジメントの観点や地域資源管理の観点に基づくアセットマネジメント(資産管理)手法の導入を提案しています。

  1. 施設の特性を考慮した機能診断調査方法
  2. 劣化予測の不確実性に配慮した劣化予測
  3. リスクマネジメントの導入
  4. 地域資源管理の立場からのマネジメント

ストックマネジメントの基本思想

施設の特性を考慮した機能診断手法

開水路等のように、外観目視調査が比較的容易な施設と、パイプラインのように、外観目視調査が困難な施設では、当然調査方法や診断方法は変える必要があります。また、調査と対策のコストパフォーマンスを勘案した調査精度、頻度についても検討が必要と考えています。

施設 診断 主たる保全対策方法
コンクリート構造物 ひび割れなどの状態から健全度評価 予防保全
パイプライン 事故率等の水理機能評価 事後保全と予防保全
機械電気設備 熱、振動等の状態や部品故障状態 時間計画保全(定期保守点検)

劣化予測の不確実性を考慮した劣化予測手法

単一劣化曲線で劣化予測を行う場合、調査時点の影響を受けて以後の劣化予測が大きく変わってしまうことが避けられません。また、劣化の種類によって劣化曲線は大きく異なり、例えば、水路で多く見られる摩耗劣化は、ある程度まで進行すると粗骨材が露出し、侵食力より摩耗抵抗力が上回るため、以後の劣化進行が緩慢に成り、劣化曲線との乖離が大きくなることが予想されます。
このような劣化特性や調査時期の影響による劣化予測の不確実性を考慮した劣化予測手法として、農業水利施設の一般的傾向から補整する方法や、確率変動の概念を導入したマルコフモデルによる劣化予測の提案を行っています。

調査時期の影響による劣化曲線の変動

調査時期の影響による劣化曲線の変動

通常の劣化と摩耗劣化の違い

通常の劣化と摩耗劣化の違い

リスクマネジメントの導入

突発事故など、劣化予測モデルでは表現できない現象を考慮する必要があります。とくに、パイプラインではコストパフォーマンスの観点から、ある一程度までの漏水事故率は許容し(管理水準)、管理水準未満までは事後保全、管理水準を越える場合は予防保全とするのが現実的です。また、非常に大きいリスクの場合は、準備金の積み立てや保険で対応するほうが有利と考えられることもあります。

通常の劣化と摩耗劣化の違い

地域資源管理とアセットマネジメント

地域全体としての施設の管理は、予算配分の均衡化(アセットマネジメント)や、農業水利施設を地域資源として位置づけることが望まれます。この場合、土地改良区の役割や地域住民のかかわり方が非常に重要となります。

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